つり球

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中村健治監督インタビュー

釣り × 高校生 × 宇宙人 = 青春!?
オリジナル作品となるだけに、まだ謎の多いTVアニメ「つり球」。
どのような段階を経て、どのようなストーリーが描かれようとしているのでしょうか?
そしてその見どころは…?中村健治監督にお話をお伺いしました。

『これはイケるぞ』

◆モチーフとしての釣り 
アニプレックスの南プロデューサーからオリジナル作品の制作企画を持ちかけられたのは、かれこれ3年前。キャラクターやストーリーの議論に入る前に「何かしらモチーフを決めたいね」と絞っていったネタの一つに「釣り」がありました。
釣りに関しては何も知らない状態だったので、モチーフといっても最初は半信半疑。「1~2回専門家に取材してみてピンとこなかったらやめよう」程度に思っていたんですが、いざ話を聞いてみると想像以上に奥深くて。
道具に加えて、相当な知識と技術が必要なスポーツ。でも勝ち負けがハッキリ決まるわけではなく、子供から老人まで楽しめる娯楽でもあり…。1回目からその魅力を確信しました。「アレ?これはイケるぞ?」と(笑)。嬉しい驚きでした。

『でも、釣りだけのアニメにしたくない』

◆軸は高校生の友情ドラマ
釣りは真剣に描いていきます。でも、釣りだけのアニメにしたくはない。やっぱり「高校生の友情ドラマ」が中心になると思います。
高校生くらいの年頃って、大人にとっては些細なことでも大きなことに思えるんですよね。例えば「明日アイツに会ったら挨拶しようかな、どうしようかな」みたいな事を前の晩に悩んだり…。ちょっとの距離が大きな距離なんですよね。そんな日常の機微を表現したいと思っています。
シリーズを通して描いていくのは上昇感のある「成長」ではなく「変化」になると思います。1話ごとに何かしらちょっとずつ変化が起きていき、キャラクターの関係性もジワジワっと変わっていきます。そこをクスクス、ニヤニヤ見てもらえばいいなと。

『不思議でカラフルな感じがイイ』

◆作品を彩る異質な存在、宇宙人
友情ドラマではありますが、ヘンな子が一人いた方がいいのでは?という話から、自称宇宙人を登場させる事になりました。
宇宙人が釣り好きという設定も、突拍子なくて面白いかと思いました。というのも、海外の方が茶道にハマっていたり、京都でお酒を作っていたりする様子を見聞きして、日本文化の魅力を再発見するような事ってありませんか?身近すぎて触れていない物事も「外から見ると、こんなに面白そうに見えるんだ」と。それを宇宙人から見た釣りに当てはめてみたらどうだろうと。
最初はあまり深く考えていなかったんですが(笑)。不思議でカラフルな感じを出せればと思っています。

『好きなところだけ見てくれれば』

◆モットーはふんわり
見どころを挙げるとすれば、空気感じゃないでしょうか。一大テーマを世の中に向かって叫ぶ、というような気持ちはないんです。
僕が高校の頃は、世の中に「頑張れば報われる」「今日より明日が良くなる」というような上昇感がありました。でも、今くらい混沌としてくると、「頑張っても報われない」という感覚が普通になってきているのかなと。
そんな今だから、世の中の価値と自分を合わせる事に窮屈を憶えるのではなく、「自分がいるところがイイところだ」という感覚とか、「自分らしく生きていく」という事が大切なのかなと思っています。大事なもの。優先順位。そんなもの、みんなバラバラでいいじゃんって思っています。
「皆さん幸せですか~?」「こっちも幸せで~す」みたいな―ふんわり気分の作品を作りたいです。視聴者の皆さんも、好きなところだけ見てくれれば…と思っています。「このキャラだけ好き」という見方でも大丈夫です。気楽に見てくれると嬉しいです。

『これを見て楽しい気分に』

◆一緒にキラキラした青春を
期待していなかったものが物凄く良かった時とか、何かにハマっている時って、ワクワクしますよね。ワクワクときめいている時のことを、「青春」と言うんじゃないでしょうか?また、振り返った時に自分の変化を感じる時期のことだと思います。「あぁ、良かったなあ」と。
ユキたち4人は画面の中でどんな風に生きて、どんな風に変わっていくのか。最初は見終わったあとに戸惑いが走るかもしれません(笑)。でも3話くらいまで見ていただければ、「なるほど」と分かってもらえるかと。4人と一緒にキラキラした青春を楽しんでいただければと思います。
イヤな事があった日や沈んでいる日でも、「つり球」があるから今日はマシになった、みたいな。そういうものの一つになれたらいいなと願っています。頑張りますので、楽しみに待っていてください。